院長の小話

2013年03月20日no.79 初コンタクトレンズ

 毎年この季節になると、コンタクトレンズを初めて装用される方に向けて小話を書いております。今年は、私の体験から、コンタクトレンズの利点をご紹介しようと思います。

1.スポーツとコンタクトレンズ

  私がコンタクトレンズを始めたのは、大学1年生の時になります。大学の部活でハンドボール部に入部したことがきっかけです。ハンドボールは、今でこそ少しだけメジャーになりつつありますが、私はどのようなスポーツかすら知らずに始めました(なぜ入部したかを説明すると長くなりますので、気なる方は診察の時にでも聞いてください)。ハンドボールはとても激しいスポーツで、プレーヤー同士の接触はよく起こります。めがねだと、壊れたりゆがんだりする危険があり、また、はずれて飛んでいくこともあります。このような時にコンタクトレンズは、たいへん安全です。時々、目の中で割れることはないですか?と聞かれますが、ソフトレンズの場合はやわらかいので、そのようなことはほとんどないと言ってもいいと思います。仮に割れたとしても、すぐに取り出せば、それによって重大な問題になることも少ないと思います。ハードレンズの場合は、割れる可能性はないとは言えませんが、極めてまれなケースだと思います。

 皆さんが良く心配されることとして「運動して外れたり、落ちたりすることはないですか?」というのもありますが、これもスポーツに適するソフトコンタクトレンズをしている限り、ほぼ問題にならないと思います。ソフトレンズは黒目の直径よりも大きく、上下のまぶたで常時押さえられています。また、ほとんど動きがないことも落ちにくい理由です。私は大学の6年間を通して一度も落としたことはありません。ただし、汗が出て目をこすってしまうと、外れる危険があるので、この点だけは注意が必要です。土ぼこりに対しても、ソフトレンズはほとんど問題になりません。グラウンドでの練習でも、よほどひどい竜巻でも起こらない限り、大丈夫と考えてよいと思います。

 これに対して、一般的にハードレンズはスポーツには不向きと言われております。まず、激しい動きや、強い衝撃で、レンズが外れて落ちることがあります。これは、レンズが黒目よりも小さく、涙で目にくっついているだけの不安定な状態によることが原因です。また、瞬きと一緒に常に上下に動くことで、涙の交換を行っているため、この点も落ちやすい原因になります。また、土ぼこりに弱いのもハードレンズの問題点です。レンズと目の間に砂やほこりが入りやすく、当然入ると激痛が起こります。乱視が強くハードレンズを装用していた先輩が、グラウンドの練習で時々砂ぼこりが目に入り、痛くて動けなくなっていたのを思い出します。

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 さらにコンタクトレンズの他の利点として、視界が広いことが挙げられます。めがねはレンズの部分しか見えませんが、コンタクトレンズは視界のすべてで見ることができます。初めてコンタクトレンズを装用した方に喜ばれたり驚かれたりする点です。球技などでは、真横のプレーヤーの位置を把握したり、全体の動きを瞬時に判断できるなど、とても大きな利点になると思います。

2.旅行とコンタクトレンズ

 私は、旅行が趣味で学生の時から色々な地域や国に出かけましたが、やはりコンタクトレンズの広々とした視界でものや景色を見たいと思います。めがねのフレーム越しの風景よりも、フレームのない風景の方が、何倍も感動的に見える気がします。また、めがねの場合は、例えば、異国で万が一壊れてしまった場合や紛失してしまった場合、見えない状態になりとてもたいへんなことになりますが、ワンデータイプのコンタクトレンズだと、部屋に戻って新しいレンズ(または予備のレンズ)を入れなおせば良いだけなので安心です。私はワンデータイプ(1日交換タイプ)のレンズを愛用しておりますが、旅行の時も日数分+予備のレンズを持っていくだけで、特に大きな荷物にはなりません。もちろん、めがねも一緒に持って行き、夜に目を休めたり、目の状態が悪くなりコンタクトレンズを装用できない時に備えます。

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