院長の小話

2007年08月28日No.12 静かなブーム、シリコーンレンズ

以前アキュビューオアシス、アドバンスの紹介を行いましたが、最近、シリコーンレンズの処方が増えております。情報が多い社会で、皆さんの健康に対する意識も着実に上がってきていると思います。

シリコーンタイプのレンズは、今までのソフトレンズと比べ、酸素を通す力が非常に高く、何もつけていない時の97%(アドバンス)〜98%(オアシス)もの量の酸素が瞳に届くといわれています。また、シリコーンタイプのレンズはグループIかIII(ピュアビジョン)ですので、レンズに含まれる水分の量が少なく乾きに強いタイプになります。

一般的に使い捨てソフトレンズは高含水タイプといって水分の量が多いです。それは、レンズ中の水分を使って酸素を運ぶため、水分を多くして酸素を通す力を高めようとするためです。そのために乾きが出やすくなり、「酸素を十分に通す」ことと「乾きにくい」ことの両立は難しい状況です。しかし、シリコーンレンズは、素材がそもそも酸素をたくさん通すので、水分の量を少なくできるのです。

欠点として、まだレンズの値段が高いことと、レンズによっては洗浄液との相性があります。

現在、当院で処方可能なシリコーンレンズは、2週間交換タイプのアキュビューオアシス、アドバンス、1ヶ月交換タイプのO2オプティクス、オキシア、1週間連続装用のピュアビジョンの5種類です。連続装用は特殊なタイプですが、前の4種類は実際装用してみましたが、問題になるような違和感もなく、視力矯正力も十分でした(あくまで私の場合です。以前の小話をご覧ください)。

マメマメ知識
Q シリコン?シリコーン?
A 正確にはシリコーンレンズ(silicone lens)です。

シリコンウェーハ

シリコンは、英語で silicon といい、地球上では酸素に次いで2番目に多く存在する元素で岩石や土の主成分です。元素記号は Si で、日本語ではケイ素とも呼ばれています。アメリカのシリコンバレーSilicon Valleyは半導体で有名ですが、半導体に用いられるシリコンは、ケイ素の純度を99.999999999%(イレブンナイン)にまで高めたもので、ほぼケイ素だけでできています。

一方のシリコーン siliconeは、ケイ素を構造に含む樹脂です。オイルやゴムにもなっています。原料は同じですが、全く違ったものだそうです。

健康維持のために、野菜を食べています、毎日運動をしています・・・、この先も病気をせずに幸せな生活を送るために、とても大切なことです。

それと一緒に、歯や目や耳も同じように大切にして、おいしいものや美しいもの、素敵な音楽で感動できる体でずっといたいですね。

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