院長の小話

2009年09月27日No.37 コンタクトレンズの処方箋について

当院では、コンタクトレンズの処方箋の発行を行っております。
もちろん、保険診療で行いますので診断書のように別途発行料を請求することはありません。

当院の処方箋があれば、原則、通信販売も含むどこの販売店でもコンタクトレンズを購入することができます。

最近、発行する機会が時々あり、色々な質問を受けるようになりました。
今回の小話では、この話題についてまとめてみようと思います。

そもそもコンタクトレンズ処方の診療とは?

コンタクトレンズを購入する場合、医師の処方箋に基づいて購入するのが原則ですが、それは言い換えると眼科医院を受診して検査をしてから購入することです。具体的には、そもそもコンタクトレンズをしても大丈夫な目の状態かを判断します。黒目(角膜)に傷があったり、まぶたや白目(結膜)に炎症がある場合は、コンタクトレンズをのせることで悪化させますので、コンタクトレンズを装用することは控えるべきです。必ずしも痛みなどの症状があるわけではないので、診察して初めてわかることもあるので注意が必要です。また、レンズにも度数や形などの種類があります。不適切なレンズを使用することは疲れの原因になったり、先日の小話で紹介したような黒目の病気をひき起こします。レンズの種類や度数は、目の状態を調べた上で決めていく必要があります。

また、初めての方は、コンタクトレンズの使い方や、つけはずしの練習も含め説明をさせてもらいます。使っているうちに病気が出た場合は治療を、トラブルが出た場合は、その相談を受けるのも診療の一つだと考えております。

コンタクトレンズを購入する時に検査診療を受けることは、目の健康、安全なコンタクトレンズ使用のためには不可欠なものと考えており、これは眼科医一般の共通認識だと思います。


コンタクトレンズの購入には処方箋がないと買えないのか?

薬事法のような法律はありませんので、買えないことはありません。
例えば、海外で買う場合や、個人輸入代行のコンタクトレンズ販売通販業者から買う場合は、処方箋がなくても買えます。また、国内の販売店でも処方箋の交付を受けずに販売する業者もいるかもしれません。法律がない以上、違法とは言えません。販売店や企業の自由となっております。しかし、ほとんどの販売店は処方箋の交付を求めます。それは、レンズを買う方の目の安全を考えた上での自主ルールのようなものだと思います。私は、処方箋を出すだけの立場ですが、このような企業や販売店の考え方は正しいと思います。また、目に合わないレンズを買ってしまう消費者側のリスクは減ると思います。

最近は、眼科で処方された処方箋のデータを登録してドラックストアーや通信販売で購入する方法もあります。処方箋が手元になくても眼科の処方に基づいていますので安全性は高いと思いますが、目の状態については自己判断になりますので、調子が悪い場合は眼科の受診が必要です。あるいは、定期的な診察だけは近所の眼科を受診するのも良いと思います。処方も無制限ではないので、半年や最低でも1年に1回の受診は必要です。

ちなみに、厚生労働省の考えはというと、法律はないですが、答弁書で一定の見解を示しております。 「処方せんがないとコンタクトレンズを販売しないことは問題ないのか?その内容を広告に記載することは問題ないのか?」の質問に対して「コンタクトレンズについては、薬事法上、その販売時に購入者が処方せんの交付を受けていることは求められていないが、購入者が眼科医の診察、指示等を受けることは安全性の観点からいえば否定されるものではなく、販売業者が販売方針としてその旨を広告することについては問題ないと考えている。」(内閣衆質一六三第一二号:平成十七年十月十八日)

処方箋でコンタクトレンズを購入する時の注意点

コンタクトレンズは、薬事法で高度医療機器に指定されております。これは、使用方法を間違えると、生命及び健康に重大な影響を与える危険性があるので、適正な管理が必要なものと厚生労働大臣が指定したものです。コンタクトレンズも、汚染や、変形などで角膜潰瘍や感染を生じ、場合によっては失明につながることもあります。

平成17年の改正薬事法で国内でコンタクトレンズを販売するためには都道府県知事の販売許可が必要になりました。さらに実務経験を有しており講習を受けた販売管理者の設置が必要とされております(ただし医師、歯科医師、薬剤師も販売管理者と同等と認められております)。

そう考えると、国内で販売員が常駐して対面販売している販売店(コンタクトレンズ店、めがね店、眼科併設のレンズ販売所)は基本的には問題なく購入できると思います。また、どこの眼科の処方箋でも原則は受け取ってくれるはずです(内容に不備がなければ)。当院では処方箋を発行する場合にどこで購入するかを必ず確かめております。販売店が信用できる場合は発行しますが、きちんとしたレンズをもらえない可能性やトラブルになる危険性がある場合は、処方しません。それは、不適切なレンズを使って病気になる可能性があるからです。

といってもそのようなことは、今までにほとんどないです。

当院の処方箋:内容を説明して同意をもらってから発行します。

コンタクトレンズの購入は対面販売といって人がいる販売店から購入することを強くすすめております。なぜなら、何かトラブルがあった時に迅速に対応してくれるからです。しかしながら、販売許可をもち、管理者が常駐する通信販売のお店も存在しますので、そのような場合に処方箋の発行を拒む理由はありません。今までも要望があった場合は、そのような通販業者からの購入のために処方箋を発行してきましたが、特にトラブルになった話は聞いておりません。しかし、そうは言っても、私の本音は人がいるお店から買ってもらいたいものです。

しかしながら、一部処方箋なしで購入できる通信販売や、海外からの個人輸入の形態で購入できる業者には注意が必要です。繰り返しますが、法律がないので販売自体になんら問題はないですが、目の健康や安全な装用にとって、処方箋はけして不要なものではありません。個人個人の考え方の問題ですが、コンタクトレンズ障害で目に病気を負う方が少なからずいる現実を考えると、個人の自由とは言っても、自分の目を守るために慎重に考えるべきだと思います。

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