院長の小話

2010年04月25日No.44 花粉症について

雪解けとともに、北海道にも花粉症がやってきます。

旭川近郊は4月から花粉が飛び始め、例年5月の連休あたりに一つのピークがあります。
道立衛生研究所の報告によると昨年(2009年)の旭川のシラカバの花粉飛散量は平年の1/3程度ととても少なかったそうです。

旭川で問題になる花粉

旭川近郊で花粉症をひき起こす花粉は3つあります。ちなみに、最も有名なスギ花粉は、幸いにも旭川では飛びません。スギの植生の北限は青森や函館といわれており、スギの木が生えないからです。時々、本州から転居してきて、花粉症が治ってよかったですと聞きます。おそらくスギ花粉症ですね。さて、話を戻します。

まず、シラカバ(白樺、シラカンバ)は雪解けと共に飛び始め、約1〜2ヶ月間がその季節です。
二つ目は、イネ。夏が中心です。代表的なカモガヤはどこにでもある雑草で、酪農用牧草です。
三つ目はヨモギです。9月初めから秋の花粉です。他にも同じキク科のブタクサがあります。

春はシラカバ、夏はイネ科のカモガヤ(雑草)、秋はヨモギとブタクサ、と覚えておくと良いと思います。

春:シラカバ

夏:カモガヤ

秋:ヨモギ


以下のページで旭川の花粉情報がわかります。
goo天気花粉情報旭川(1〜5月)
北海道の花粉情報

目の症状と対処方法

この時期に、突然、繰り返すようなくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみがあれば、花粉症が疑われます。目の症状として、かゆみの他に、充血、めやに、異物感も出てくることもあります。

目の検査では、眼瞼結膜というまぶたの裏側の状態をみせてもらいます。充血の程度や乳頭といってつぶつぶ(ブツブツ)がどの程度できているかを確認します。

治療はヒスタミンなどのかゆみや炎症の原因となる物質の放出を抑えたり、作用を抑える薬である抗アレルギー薬で行います。例えば、リボスチン、リザベン、ザジテン、インタール、アレギサールなどです(後発薬品を含むとかなりの種類があります)、効果が不十分な場合はステロイドという炎症を強く抑える薬を使います。これは、フルメトロン、オドメール、ピトスなどが有名です。強さによって0.02%と0.1%があります。毎年同じ時期に目がかゆくなる、または花粉症の診断がついている場合は、花粉の飛ぶ2週間前位から、点眼を開始すると症状が軽くすむといわれております。

まぶたの裏側に乳頭というブツブツができています

リボスチン点眼液とフルメトロン点眼液0.1%


コンタクトレンズをしている方は、症状の出ている時はしない方がよく、どうしてもしなければいけないのであれば、一日使い捨てのソフトレンズを最低限するのがよいと思います。さらに、人工涙液の点眼を頻回にして花粉を流すのも効果的です。点眼液は防腐剤の入っていない使いきりタイプか、ソフトサンティア(防腐剤は影響の少ないホウ酸です)などがよいと思います。

大事なことは、かゆいからといってかいてしまうと、さらにかゆくなります。かくことがさらに炎症を悪化させ、悪循環になります。点眼薬はかゆみに対して効果がありますので、かゆいときはがまんせずに眼科を受診しましょう。

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