仮性近視とワック

仮性近視

仮性近視のしくみ

仮性近視は偽近視、学校近視ともいわれており、初期の近視の中にこの状態のお子さんが含まれております。人間の眼の中には毛様体というピントを合わせるための筋肉があります。近くを見るときはちぢんで(緊張して)、遠くを見るときはゆるみます。近くの作業を多くすると、この筋肉が過度に緊張して、遠くを見ようとしてもゆるまなくなります。この状態が調節緊張、仮性近視という状態です。


当院での治療

治療1 目薬による治療
ミドリンM

毎日寝る前に毛様体筋の緊張を取る目薬を点眼するだけです。点眼後30分から1時間で毛様体筋の緊張は完全に取れ、その状態が3~4時間続きます。それを毎日繰り返すことで、緊張しっぱなしにならない毛様体筋をつくります。


治療2 ワックによる望遠訓練
ワック

ワックという機械を使い、毛様体筋の柔軟体操および望遠訓練を行います。機械をのぞいて両目で遠近感のある写真をみるだけです。5分程度で、写真も変わりますのでお子さんでも飽きずに治療できます。「すごく立体的に見えるぞ」と驚きながら、写真が離れたり近づいたりするのを目で追っているうちに、毛様体筋がゆるんだりちぢんだりを繰り返し緊張が取れ、水晶体も厚みの変化を繰り返し、仮性近視の改善を促します。
眼精疲労や初期の老眼にも効果がある場合もあり、私は患者さんのいない時にのぞくこともあります。何がどのように見えているのか、ご両親の体験も可能です。

ワック通院カード

治療3 生活指導

日常の生活で目に負担のかかることをさけるのが大切です。例えば…

以上のような治療を行っても、近視が進行する場合には、治療が効かない近視に固まってきたものとみなします。近視の治療のところにもありますが、凹レンズの入った眼鏡を処方して作成してもらい必要に応じて使っていただくということになります。