院長の小話

2014年04月20日no.91 仮性近視について(その2)

 学童期のお子さんの中には、仮性近視(偽近視)の状態で、治療によって裸眼視力の改善を得られる場合があります。今回の小話では仮性近視の治療について説明しようと思います。

1.ミドリン点眼

 ミドリン点眼は ピントを調節する毛様体筋を一時的に麻痺させて仮性近視を改善に向かわせる効果があります。点眼すると15分から30分位で瞳孔が開きまぶしい状態になります。寝る前に1回さすのは、瞳孔が開いても寝ている間だとまぶしくなく、生活に支障がないからです。夜さしてから起きているとまぶしくなってきますので、寝る直前に点眼すると良いと思います。

2.ワック

 検査器の中の風景を5分眺めるだけで、遠くの風景を長時間眺めているのと同じだけの効果があります。これによって間接的に毛様体筋を刺激し、目の緊張を解く治療で、雲霧法と呼ばれ、眼精疲労の軽減や内側に寄ってしまった視線を平行に保つ効果を持ちます。痛い検査ではなく、見える風景も数パターンあり、飽きて見続けられないこともほとんどないようです。幼稚園児のお子様でも安全に治療が可能です。

2.近視と仮性近視の違い

 仮性近視と診断がついた場合、当院では目薬とワックを使って治療を行います。もちろんすべて保険診療で、1~2週間に一度の治療になります(ワックの治療自体の費用はかかりませんが検査のための診察代がかかります)。ワック後に視力検査を行います。私の診察は、目の状態の確認と、日々の様子の質問、生活の中でのアドバイスがメインになります。例えば、ゲームなどの時間や、日ごろの癖や姿勢について、状況を聞きながらご本人と親御さんと3人で相談しながら治療をすすめさせていただきます。

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