院長の小話

2014年12月20日no.99 おすすめのコンタクトレンズは?(5)

 「どのレンズが一番良いのですか」と診察中に聞かれることが多いことからコンタクトレンズ選びに役立つような情報をお伝えしており、今回は5回目になります。私の独断と偏見が少し入っている点は、ご了承ください。

ワンデータイプのレンズのデメリットは?

ワンデータイプのレンズの利点を毎回説明してきました通り、とても利点が多く、理想的なレンズです。病気にになりにくく、装用感も最も良いとすれば、気になるのは、悪い点です。悪い点は、私は一つだけあると思います。それについては、後述したいと思います。

 まず、よく聞かれることは、ワンデーは大量生産のため品質が悪く、不良品が多いのではないか、という質問があります。確かに装用する日ごとに新しいレンズが必要ですので、レンズを大量に購入しなければいけません。1年で片眼一枚しか使わない長く使えるソフトレンズと比べると、毎日装用すると365倍も新しいレンズを開封することになり、確率的に不良品にあたる可能性が高くなるのは間違いないと思います。しかし、それはワンデーが粗悪だからというのではなく、確率の問題だと思います。どのような工業製品でも、不良品はある確率で発生すると思います。機械も人間も万能ではないからです。コンタクトレンズも同じで、やはり不良品が見つかることはあります。しかしながら、私もかれこれ開業してから10年位ワンデーレンズを毎日使っていますが、不良品に当たったことは一度もありません。もしかしたら、私が幸運なだけかもしれませんが、問題になるほど多くはない印象です。

 次に、乾きやすいのではないか、との質問を受けます。この点は、コンタクトレンズ各メーカーが新しいレンズを開発して、日々乾きにくいレンズが発売されております。目との相性によるものも多く、他のワンデータイプのレンズに交換すると解消することも多々あります。乾きが強い人は、どのタイプのソフトレンズを使っても改善しないこともあり、必ずしもワンデーレンズのみが乾きやすいというわけではないようになってきていると思います。

 やわらかくて、扱いにくいのではないですか?確かに硬いレンズの方が取扱いがしやすいと思います。しかしながら、異物感が少ないのはやわらかいレンズの特徴だと思います。その利点はとても大きいと思います。

 私が考えるワンデータイプのレンズのデメリットは、「金額が高くなる」ことだと思います。これが唯一のデメリットと言っていいと思います。他のタイプのソフトレンズと比べて洗浄液が不要ですが、その点を考慮しても、やはりレンズの枚数が多いため、割高になることが多いと思います。しかしながら、多くの場合において、目に対する負担軽減や、高い安全性、そして快適な装用感を得ることができ、さらに洗浄の手間が不要です。また、毎日装用する必要がない人にとっては、2週間タイプや1か月交換タイプに比べて、割安になることもあります。2週間タイプのレンズは、週に1日しか使わなくても、開封から2週間が経過したところで破棄しなければならないため、ワンデータイプの方が無駄が少なく、結果的にレンズ代を節約できる場合もあります。週に1回の装用であれば、ワンデーレンズ一箱で半年程使える計算になります。

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