院長の小話

2015年05月20日no.104 おすすめのコンタクトレンズは?(8)

 「どのレンズが一番良いのですか」と診察中に聞かれることが多いことからコンタクトレンズ選びに役立つような情報をお伝えしており、今回は8回目になります。ハードレンズに対する質問は大変多いです。今回はハードレンズのメリット、次回はハードレンズのデメリットをご紹介しようと思います。私の独断と偏見が少し入っている点は、ご了承ください。

ハードレンズのメリットは?

 まず、ハードレンズのメリットは、目に酸素を通しやすい点が挙げられます。レンズの材質が酸素をよく通すものである点と、レンズがソフトレンズと違い角膜よりも小さく、実際に目を覆う面積が小さい点もその理由です。さらに、ハードレンズは、瞬きするたびに上方へ移動するため、その点も酸素を通しやすくします。コンタクトレンズによる角膜の酸素不足はたいへん重大な問題ですので、メリットとしてはとても大きいです。しかしながら、最近のソフトレンズはシリコーン素材のものが一般化してきており、その差は小さくなってきています。

 二点目は、ハードレンズは硬いからハードレンズと言われておりますが、その硬いことにより、黒目(角膜)のゆがみを取ることができます。ソフトレンズで視力が出にくい乱視に対して、ハードレンズの方が視力が出る場合があります。この乱視に対する矯正力が高い点は、ハードレンズのメリットだと思います。ソフトレンズにも乱視用がありますが、特殊な向きの乱視を持つ方や、ソフトレンズを載せた場合にレンズが不安定に回転してしまう方は、矯正がうまくできないことがあります。よく、乱視が強いためハードレンズしかできない、と言われた方は、このようなケースに当てはまると思います。そのような方でも、ハードレンズなら視力が出て、満足の得られる結果になることがあります。

 三点目は、水道水ですすげる点です。ソフトレンズは水道水ですすぐことができませんが、ハードレンズは水道水ですすぐことが可能です。これは、ソフトレンズと違って、ハードレンズはレンズの中に水分がないため、水道水に含まれるアメーバ―など危険な菌類が繁殖できないからです。

 最後のメリットは、コストが若干安くなることではないでしょうか。ハードレンズの使用期間は一般的に1年半から2年位と言われております。一日使い捨てのソフトレンズなどに比べると、トータルでは出費が抑えられると思います。

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