院長の小話

2013年05月20日no.81 アレルギー性結膜炎について(その2)

 アレルギー疾患の有病率は、世界的に増加し、またすべての年齢層に広がっているそうです。私たちにとってたいへん身近なアレルギーについて、特に眼科で問題になるアレルギー性結膜炎の理解を深めましょう。

 
1.季節性と通年性

 アレルギー性結膜炎は、毎年決まった季節に症状が出る「季節性」のものと、多季節またはほぼ一年を通じて症状が出る「通年性」と、さらにアトピー性結膜炎を原因とするものなどの「その他」に分類することができます。

 季節性のアレルギー性結膜炎はかゆみの症状が多く、大部分が花粉による花粉症性の結膜炎です。北海道の場合は、雪の積もっている冬には花粉の飛散はないと言われておりますので、雪解けとともに目がかゆくなる場合や、冬には症状がまったく出ない場合は、季節性の花粉症によるものを疑います。花粉によるものの場合は、鼻の症状も合併することが多く、その割合は70%近くになります。

 通年性のアレルギー性結膜炎は、症状が比較的軽く、かゆみや充血、流涙、めやになどが慢性的に続きます。原因としてハウスダストやダニが多いようです。なんとなく調子が悪い程度の場合もあり、診断が難しいこともあります。特に高齢者の方でその傾向が強いといわれております。

2.アレルギー性結膜炎の原因となる花粉

 以前にも何度か小話で紹介しましたが、旭川市の花粉情報をもとに、代表的な花粉を紹介します。

 まず、春の花粉として、シラカンバ(白樺、シラカバ)です。雪解けと共に飛び始め、5月から6月にかけてが季節になります。シラカンバの注意点は、果物アレルギーの併発です。特にりんごやさくらんぼといった果物を食べると口の中にかゆみがでる口腔アレルギー症候群と呼ばれるものがあります。カバノキ科に属し、仲間にハンノキという植物があります。

 夏の花粉の代表は、イネ科の植物、カモガヤなどです。カモガヤはどこにでもある雑草で、アメリカから明治時代に酪農用牧草としてもちこまれたそうです。いわゆる草ですので、どこにでも生えているのではないでしょうか。

 秋の花粉は、9月頃から飛ぶ、ヨモギやブタクサです。正式にはキク科の植物です。ヨモギといえば草もち・よもぎ餅ですが、以外と知られておりませんがお灸のもぐさはヨモギを乾燥させたものです。

 なお、以下のページで旭川の花粉情報がリアルタイムにわかりますのでご参照ください。

goo天気花粉情報旭川

北海道の花粉情報(北海道立衛生研究所)

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